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Research Theme 

         組織学、分子生物学、バイオメカニクスを用いた

              病態の理解と理学療法効果に関する検証

運動器理学療法、基礎理学療法、リハビリテーション科学分野

末梢神経損傷後の理学療法効果に関する研究

末梢神経損傷者に対する理学療法介入は、損傷軸索の再生を促進し得るか否か、未だに一定の見解が得られていません。我々は、神経損傷後に適切な時期・強度で運動介入を行うことで、軸索再生や運動ニューロン周囲のシナプス可塑性を促進し、運動機能回復を改善させることを明らかにしてきました。軸索再生や機能回復を促進させる理学療法戦略の確立に向けて、特に運動療法の量的・質的効果に関する研究を行っています。

Minegishi et al, Muscle and Nerve 2021

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変形性膝関節症の病態理解と運動の効果

理学療法士ならではの視点から変形性膝関節症を捉え、変形性膝関節症患者特有の関節が曝される不安定な環境に着目し、発症メカニズムを検証しています。また、運動療法の観点よりトレッドミルなどの運動を通した、関節軟骨に対する保護効果に関するメカニズムを検証しています。現在は、変形性膝関節症モデル動物に対する生体内での研究に留まらず、軟骨細胞に対する培養環境下での検証も進めています。

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Oka et al, Cartilage 2020

腱・靭帯骨付着部障害の病態解明ならびに適切な理学療法介入の確立

腱・靭帯骨付着部はエンテーシスと呼ばれ、腱が線維軟骨を介して骨に付着する部位を示す。同部は軟部組織から硬組織へと、組織の柔軟性が急激に大きく変化する特徴があるため、外力による障害や外傷の好発部として認識されている。特に若年期におけるオスグッド・シュラッター病やアキレス腱骨付着部症などは同部での疾患として代表的なものであり、スポーツ動作に関連し発症する難治性の障害である。本研究室では、これらスポーツ関連性腱骨付着部症の詳細な病態解明や発症要因の解明、ならびに適切な理学療法介入の確立に向け、マウスを用いた基礎研究にて解明に迫っている

Ozone et al, JOR 2021

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有疾患者の病態解明に向けた
バイオメカニクス・神経生理学的研究

本研究室では、三次元動作解析装置・筋電計を用いて有疾患者の特徴的な関節運動および筋活動の解明に取り組んでおります。また、様々な神経生理学的手法を駆使し、有疾患者がいかにして運動を制御しているのかを明らかにしています。これら基礎的な知見を集積し、将来的には、科学的な視点から疾病の発症・進行予防を目的とした新たな運動療法の確立を見据えています。

Kubota et al,  Sensors  2021

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前十字靭帯断裂後の保存的治療法確立に向けた基礎的研究

前十字靭帯(ACL)は損傷すると再建手術が必要になります。一方、約4割の患者は手術をせずに生活し、変形性膝関節症のリスクを高めています。この問題に対して、一度損傷したACLを自然治癒に導く保存的治療法の臨床応用を目指して研究を行っています。これまでの研究成果として、世界で初めて完全損傷したACLを自然治癒に導くことに成功し、ACL損傷に対する保存的治療法の臨床応用に向けたトランスレーショナル・リサーチを、基礎研究・臨床研究の両面から推進する予定です。

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Kano et al, Connective Tissue 2021

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